コモン・センス

第30回

名曲、と言って曲を称える時がある。曲を構成する要素が不思議なバランスで絡み合い、音楽でしか表現され得ない次元で鳴っている。歌メロ、歌詞、音色、リズムパターン、ハーモニー、曲展開、演奏のスキル、etc…。それはどこを聴いても非の打ち所が無い、というわけではなくて、なんとも言葉で言えない不思議なバランスなんだと思う。僕が人生で1番始めに経験した名曲はDavid BowieLife On Mars?

Bird In A Cage結成直後くらいからエレクトロミュージックを聴き始めた。当時エレクトロミュージックは聴いていて特に楽しいとは思っていなくて、自分の好きなミュージシャンがブログで紹介していたものを聴いていた程度。イマイチどこに耳を傾ければいいか分からないので、「サビが来た!」みたいなポップミュージックの聴き方しか知らない僕は音楽知識としてエレクトロミュージックを捉えていた。当時聴いていたエレクトロミュージックがはっきり思い出せないけど、多分MatmosとかKettleとかだった気がする。

最近好んでエレクトロミュージックをよく聴いている。名曲感を特に感じないところが良いな、と思っている。お盆に親戚のおじさんに会った時、歳を取ると晩酌は発泡酒くらいで丁度いい、と言っていた。生ビールは味が濃過ぎる、と。ポップミュージックは生ビールなのかな?と思った。熱量のある演奏を閉じ込めてパワフルな作品にするポップミュージックに対して、デジタル信号をスッキリと組み合わたエレクトロミュージックは発泡酒。濃いめの名曲感が無いところが良い。特によく聴いている曲は無いけど、múmは聴いている頻度が高いかも。

名曲感なんて無くていい。作り手がそのまま出ている、非常に個人的でパッとしない曲。そんな曲こそ音楽なんじゃないかという気がし始めている今日この頃。

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