コモン・センス

第15回

今月はいつもと感じを変えてみます。おすすめの曲を紹介するのではなく、僕の
ルーツを、音楽以外のところで紹介したいと思います。考えてみれば今 の自分
に影響を与えてきた物事は音楽以外にも沢山ありますが、それを整理して考えた
ことがありませんでした。実際に影響を与えているかは分かりま せんが印象に
残っている物事です。それを時系列に沿って考えてみました。

 

■赤ちゃん

僕は一人遊びに没頭する子でした(だったようです)。特に迷路を書いて遊ぶのが大好きで、一枚の紙の中にいかに線を詰め込めるか、というような感じで書いていました。その迷路で他の誰が遊ぶわけでもないのに行き止まりも沢山作りました。スタートは決まっているのに自分を含めだれもその迷路で遊ばず、完成と同時にゴミ箱にゴールしていました。

■保育園~幼稚園
ポリバケツです。この頃の記憶はほとんどありませんが、今回の記事を書くにあたって唯一思い出せたのがこのポリバケツです。僕は時々これに入って いました。治療のためです。生まれつき肌が弱かったので、同時期に生まれた子供が退院してもしばらく病院にいて、耐性を持たせるための光線を浴び続けていたようです。それがこのくらいの歳になるといよいよ肌の調子が悪くなってきため、その治療で登場したのがこのポリバケツです。このなかに強酸性水を入れて浸かるというシンプルな治療でした。ただほとんど全身が炎症になっているので液体に入ると染みるんです。そして特に印象に残っているのが、その強酸性水がぬるいこと。これは看護婦さんの気遣いだと思います。水のままだと冷たいし、熱くてもいけないだろう、という。ただ僕はぬるいことが苦しかったです。ぬるいと体温に近いので身体の痛みをしっかり感じれるからです。熱ければその熱さで痛みを誤魔化せるのに。僕はわりと重症だったのでこんなことが何回か続きました。そこの病院の先生には写真を撮られたりもしました。著書に載ったのか、論文に載ったのか、目のところに黒いモザイクが入った写真が使われたのでしょう。おかげさまで今はほとんど治っています。

■小学校~中学校

僕は小学校の高学年くらいに初めて自分の部屋をもらいました。最初は言われるがままその部屋の住人になったのでTVが見れて寝れればいいや、くら いに思っていました。ある日入ったコンビニに置いてあったインテリア雑誌に目が留まりました。気になって立ち読みしたんですが、衝撃を受けまし た。部屋を格好良くするという発想が全く無かったからです。その雑誌に載っている部屋はどれも魅力的で衝動買いしたその雑誌を持ち帰ってすぐ部屋 の模様替えをしました。当時はお金も持っていないので、家具の配置にこだわっていました。部屋いう限られたスペースにどんな風に家具を置くか、 それによってどんな風に見え方が変わるか、それを毎日考え始めました。毎日模様替えをしました。学校でも、今日はどんな風に模様替えをするかばか り考えていました。家に置いてあった使っていないものは何でも試して、部屋を格好良くするために使えないか?試行錯誤しました。この時期はそんな 日々でした。写真は当時買った雑誌の一部です。

■高校
実際に使っていた英和辞典です。元々英語には興味があって小学校で英語の授業が無いことが不満でした。英語が勉強したかったのですが中学校で初め て英語の授業が始まることは分かっていたので、待ちきれず小学生のころから塾に通わせてもらっていました。中学校の教科書はそれ自体が簡単な辞書の役割も果たしていたので例文中に出てくる単語で分からないものがあれば教科書の最後を見れば載っています。高校になると初めて辞書を使うように なりました。高校の教科書は例文中の新出単語は一覧になっているので、これを調べるのは特に面白くなかったです。調べるべき言葉が既にリストアップされていて、それを調べればこの文章は概ね理解できますよ、という教え方に興味は無かったです。それよりも、適当に辞書のページを開いて新しい 言葉に出会うのが楽しかったです。気になる単語全てにマークしました。特に長い単語は、例えばUntouchableのような、好きでした。簡単に分解できる構造になっているところが見ていてドキドキしました。unとtouchとableに分けて考えるとtouchが触れるで、ableができる、合わせると、触れる事ができる。unでそれを否定するから、触れる事ができない、つまり、触れてはいけない、となる。そんな風に分解したものを再構築した時に言葉の面白さを感じました。