self portrait

第11回「Yellow Center Line」

皆様こんにちは。新年明けた1月15日、瀬戸内海で海自輸送艦と釣り船が衝突し2名の死亡者が出たというニュースはまだ皆様の記憶にも新しいと思いますが、その2日後の17日にも、和歌山県沖で漁船と貨物船が衝突し、漁船に乗っていた2名の方が亡くなられました。

 

 最速およそ50km前後の船舶同士が、広い海原でなぜ衝突するのか?と、道なき大地をドライブする際、衝突事故を防ぐためのルールを知るまでは、常に疑問を抱いていました。

今年最初にお送りする「self portrait」は、地平線に向かって車を走らせたフレーザー島での恐怖体験と、大自然が教えてくれた人生の教訓をお届けします。

 

フレーザー島はオーストラリアの東、ブリスベンに近いところに位置する世界最大の砂の島で、世界遺産にも認定されています。

原生林と多種多様な野生生物、そして非常に高い透明度を誇る湖や、クイックサンドとよばれる砂地が液状化した危険地帯も有する、まさに大自然が産んだパラダイスです。

大陸から船で渡り、太古の熱帯雨林を東へ抜けると、120kmにもわたって広がるビーチに辿りつきます。南北に伸びる広大なビーチはいっさいの目標物を持たず、往来する際にはただ一方向に車を走らせる、言わば砂のハイウェイです。

 

左右に広がる道なき道は、日常神経をすり減らしながらハンドルを握る緊張感を解き放ち、一定の力でアクセルを踏み続けると、遥か遠くから小さく見える対向車のヘッドライトがだんだん目の前に迫ってきます。何故だ・・・ハンドルをきり、避けようとしても自分の方へ吸いついてくるようです!ハンドル操作に迷いが出たその時・・・後部座席から同行した英国人の叫び声が!「ヘイ!砂漠ではウィンカーをつけろー!!」。

カチカチと右に方向を指示すると、猛スピードの対向車もウィンカーを反対方向へ示し、私の運転するすぐ左脇を通り過ぎました。

その後、早めの方向指示により難なくすれ違うも、その車間距離の近さに衝撃を憶え、陸地だけに限らず、海や空での操縦が如何に困難かを窺い知ることになりました。

右や左へ振れる人生も、常に目標物とセンターを意識しなければいけないという示唆を、フレーザーアイランドは与えてくれたような気がします。

 

心の中にウィンカー・・・灯すと何かが変わります。