self portrait

第4回「From Russia with Love - マルクスの遺産? -」

皆様こんにちは。前回では当時のロシア情勢をお送りしましたが、今回はその背景を交えて、ロシアの航空会社アエロフロートで行く、人生初フライト体験記であります。

「アエロフロート」=「航空艦隊」という由来からも察するように、当時の操縦士は元軍人が多いと聞きました。今振り返れば、どことなくワイルドな操縦はその影響もあるのでしょうか。

機内の様子は自分の想像をはるかに超えて、日本人の姿は見当たらず、すでに異国の地を踏んだかのような雰囲気です。日本から渡航する際、当時はまだビザの取得が難しかったとの話も後に聞きました。税関では、手持ちの現金の増減を克明に記載、申告しなければならず、外貨の流出入にも非常に敏感であったことも伺えます。

 

離陸前から、人間が空を飛ぶという現実にひたすら酔いしれます。

パレードを思わす優雅な走行から、途轍もない加速により時空の何処かに放り出されるような滑走。車輪からの摩擦音から解き放たれた瞬間に身体全体に感じるGは、不可能を可能にした人類の衝撃か!?雨雲をつきぬけると、その眼下には一面、白く輝く雲の地平線と、何の迷いもなく輝き続ける太陽。

それはまさにJohn Lennon「Imagine」の世界・・・想像してごらん・・天国も地獄もなく、ただ私達の上には空があるだけ・・・。そんな感動がわずか12時間で終わってしまうなんて、なんてことだろう・・・。窓から刻々と変化する未知の世界を堪能しているうちに、一睡することもできませんでした。

 

さぁ、いよいよ到着です。非常に不安定な体勢での降下を長らく感じ、常に微振動が身体を揺らします。ドドド~というすさまじい着地音とともに激しい衝撃を尾てい骨にくらい、見事(?)着陸成功!機内は拍手と喝采に包まれました。それはまさにパーティーの様です!!なるほど、飛行機とはこういう乗り物なのだ!と感動したものでしたが、そのような劇的なランディングは、この日限り経験することはありませんでした。

 

 このようなエキサイティング且つ不思議な現象は「他人同士が同じ感情を共有する」ロシア滞在時に幾度も感じた光景の一つで、それはある意味、共産主義国家が生んだ正の遺産ではないだろうか、と感じています。相対して、優劣を常に比較しながら生きていくという、私達に染みついた当たり前の思想。そのような生き方に疑問を投げかけ続ける人生初フライトでした。